AIエージェント2026-10-14 公開約 9 分で読めます

AIエージェントの作り方|ノーコードで組む手順と最初に作る小さな1つ

AIエージェントの作り方を、ノーコードで組む手順・必要になるもの・最初に作るべき小さなエージェントの順で整理します。製造業の5〜200名が1業務から試せる進め方を、失敗しやすい点も含めて正直に書きます。

中田 純平 — ツナイデ・ムスブ

熊本市 / AI 導入支援・業務自動化

ノートパソコンでグラフを分析している様子

結論——AIエージェントの作り方はノーコードで1業務から始める

AIエージェントの作り方は、プログラミング不要のノーコードツールで、1業務だけを任せる小さな構成から始めるのが現実的です。いきなり全社の自動化を狙うと高い確率で止まります。まず問い合わせの一次振り分けやメール返信の下書きなど、判断が単純な業務から組みます。

この記事で分かること

  • AIエージェントと自動化ツールの違い
  • 作る前にそろえるもの4つ
  • ノーコードで組む5つの手順
  • 最初に作るべき小さなエージェント

想定している読者

従業員5〜200名の製造業で、情シス専任がいない会社を想定します。総務や製造管理が兼務でも組める範囲に絞って書きます。全社システムの刷新ではなく、1人の作業を軽くするところから説明します。

AIエージェントとは何か——自動化ツールとの違い

AIエージェントとは、目標を渡すと手順を自分で判断して動くAIです。決まった順番を流すだけの自動化とは違います。生成AI(文章の作成や要約を行うAI)が判断役として中に入っている点が特徴です。

チャットAIやRPAとどう違うか

違いを並べると役割がはっきりします。

種類 何をするか 判断の有無 向く業務
チャットAI 質問に答える 人が都度指示 下書き・相談
RPA 画面操作を再生 判断しない 定型の転記
自動化ツール 条件で分岐・連携 条件のみ 通知・データ連携
AIエージェント 目標から手順を組む AIが判断 振り分け・要約・下書き

自動化ツールにAIの判断を足したものがAIエージェント、と考えると近いです。詳しくはAIエージェントとは|チャットAIとの違いを業務視点で整理にまとめています。

製造業でどこに効くか

効くのは、文章や記録を読んで仕分ける作業です。問い合わせメールの分類、日報からの異常抽出、過去トラブル記録の検索などが当てはまります。逆に、寸法検査や最終出荷判断のように責任が重い工程には向きません。線引きは製造業でAIエージェントに任せられる業務と任せてはいけない業務で整理しています。

AIエージェントを作るのに必要になるもの4つ

必要になるのは、ノーコードツール・生成AIの接続先・つなぐデータ・動かす条件の4つです。特別な機材は要りません。

4つの内訳

必要なもの 具体例 備考
ノーコードツール n8n / Make / Dify 手順を組む土台
生成AIの接続先 ChatGPT等のAPI 判断役。従量課金が多い
つなぐデータ メール・表・チャット 既に社内にあるもの
動かす条件 受信時・毎朝9時など いつ動くかを決める

APIとは何か

APIとは、ツール同士をつなぐ受け渡し口です。難しい設定はなく、画面で接続キーを貼り付けるだけの場合が多いです。生成AIのAPIは使った分だけ課金されるため、まず小さく試して月額の目安をつかみます。

既存のデータを使い回す

ゼロから作る必要はありません。すでにメールやExcel、チャットにたまった情報が材料になります。LarkやGoogleを使っているなら、そこからデータを取り出してエージェントに渡せます。

ノーコードでAIエージェントを組む5つの手順

手順は、業務決め・入口設定・AIに渡す指示・出口設定・テストの5つです。順番に進めます。

① 任せる業務を1つに決める

最初に業務を1つだけ選びます。複数を同時に組まないのが成功の条件です。「問い合わせメールを内容で3種類に分ける」のように、範囲を一文で言えるまで絞ります。

② 入口(トリガー)を決める

トリガーとは、エージェントが動き出すきっかけです。メール受信時、フォーム送信時、毎朝9時などから選びます。製造業なら日報が届いたときや問い合わせ受信時が使いやすいです。

③ AIに渡す指示を書く

AIへの指示文(プロンプト)を書きます。役割・入力・出したい形式を短く指定します。

  • 役割:「あなたは問い合わせ担当です」
  • 入力:「次のメール本文を読む」
  • 形式:「見積・クレーム・その他の3つに分類する」

④ 出口を決める

結果の送り先を決めます。チャットへ通知、表へ追記、担当者へ転送などです。人が最後に見る置き場所を必ず作ります。いきなり自動返信にしないのが安全です。

⑤ 少量でテストする

本番の前に、過去のメール10件ほどで試します。分類の正解率を自分の目で確認します。ずれたら指示文を直して、また10件で試します。この往復で精度が上がります。n8nでの具体的な組み方はn8nの使い方を初心者向けに解説が参考になります。

最初に作るべき小さなエージェント3つ

最初は、問い合わせ振り分け・日報からの異常抽出・過去記録の検索から選びます。どれも失敗しても実害が小さい業務です。

3つの候補と効く理由

エージェント やること 効く理由
問い合わせ振り分け メールを種類別に仕分け 毎日発生し量が多い
日報の異常抽出 気になる記述を拾う 読む時間を短縮
過去記録の検索 図面・手順書を探す 探す手間を削減

なぜ小さく始めるか

小さいと、間違えても取り返しがつきます。精度が8割でも、人が残り2割を直せば回ります。全社向けだと1つの間違いが全員に波及します。まずは1人の担当の作業を軽くする範囲に留めます。

検索系はRAGを使う

過去記録の検索では、RAG(社内資料をAIに読ませて答えさせる仕組み)を使います。図面や手順書を検索対象にできます。組み方は製造業のRAG活用|図面・手順書・トラブル記録をAIに検索させる手順で解説しています。

ノーコードツールの選び方——用途で分ける比較

ツールは、連携重視ならn8nやMake、AI会話重視ならDify、という分け方が分かりやすいです。用途で選びます。

用途別の向き不向き

ツール 得意 料金の形 向く会社
n8n 多数の連携・自動化 実行回数/月額 業務連携を広げたい
Make 視覚的な連携 操作回数課金 画面で組みたい
Zapier かんたん連携 タスク数課金 少数の連携だけ
Dify AIチャット構築 利用量課金 社内Q&Aを作る

料金の体系はツールごとに異なります。最新の金額は各公式サイトで確認してください。n8nの費用構造はn8nの料金を整理にまとめています。

選ぶときの基準

基準は3つに絞れます。

  1. 連携したいツールに対応しているか
  2. スマホからも結果を受け取れるか
  3. 自分が兼務で保守できる範囲か

凝った構成より、止まったときに自分で直せる構成を選びます。iPaaS系の比較はiPaaS比較|Zapier・Make・n8n・Yoomを中小製造業目線でが参考になります。

費用の考え方——料金体系と無料で試せる範囲

費用は、ノーコードツールの月額と生成AIの従量課金の合算で考えます。多くのツールに無料枠があり、試作は無料で始められます。

2つの費用に分けて見る

費用 課金の形 抑えるコツ
ノーコードツール 月額/実行回数 無料枠で試作
生成AIのAPI 使った分だけ 短い指示文にする

生成AIは文章量が増えるほど課金が上がります。指示文を短く保つと費用が下がります。具体額は使い方で変わるため、まず1週間動かして実績から見積もります。

補助金が使えるか

ツール導入費は補助金の対象になる場合があります。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)などが候補です。要件と助成率は年度で変わります。公募要領の最新版で必ず確認してください。熊本の制度は熊本で AI 導入する際、本当に使える補助金 5 つにまとめています。

失敗するパターンと対象外の業務

失敗の多くは、範囲を広げすぎる・人の確認を外す・精度を過信する、の3つから起きます。先に潰します。

つまずく3パターン

パターン 起きること 回避策
範囲を広げすぎ 保守できず放置 1業務に絞る
確認を外す 誤回答が流出 人の確認を残す
精度を過信 現場が不信に 8割前提で設計

関連する失敗例は製造業のAI導入でつまずく5つのパターンと原因にもあります。

やらないほうがよい業務

対象外にすべきは、間違いが人や品質に直結する業務です。

  • 寸法・強度などの合否判定
  • 出荷の最終承認
  • 顧客への無確認の自動返信

これらはAIの下書きを人が判断する形に留めます。判断そのものを任せません。

人が必ず確認すべき工程

確認が要るのは、AIの出力を外部へ出す直前と、学習に使うデータの中身です。ここだけは自動化しません。

出力前の確認

顧客や取引先へ届く文章は、送信前に人が目を通します。誤りが1件でも外に出ると信用に響くためです。社内向けの下書きは確認を軽くしてよいです。

入れてはいけない情報

図面や個人情報を外部のAIに渡す前に、扱いを確認します。契約や設定で学習に使われない形にできる場合があります。TSMC関連の取引など機密要求が厳しい現場では特に注意が必要です。線引きは製造業でChatGPTを業務に使う|見積下書きと入力の線引きで整理しています。

AIエージェントの作り方、今日やる最初の1つ

今日やることは、任せたい業務を1つ紙に書き出すことです。ツール選びより先に、一文で言える業務を決めます。「問い合わせメールを3種類に分ける」で十分です。

業務が決まれば、無料枠のあるノーコードツールで過去データ10件を使って試作できます。そこから精度を見て、使えると判断したら本番に回します。中小企業の最初の一歩は中小企業がAIを入れる最初の一歩もあわせて読んでください。

よくある質問

Q.AIエージェントはプログラミングなしで作れますか

作れます。n8nやMake、Difyなどのノーコードツールを使えば、画面でブロックをつないで組めます。コードを書かずに、問い合わせ振り分けやメール下書きのエージェントを作れます。

Q.最初に作るエージェントは何がいいですか

問い合わせメールの振り分けがおすすめです。毎日発生して量が多く、間違えても人が直せるため実害が小さいです。日報からの異常抽出や過去記録の検索も最初の候補になります。

Q.AIエージェントを作るのに費用はいくらかかりますか

ノーコードツールの月額と、生成AIの使った分だけの課金の合算です。多くのツールに無料枠があり、試作は無料で始められます。正確な金額は各公式サイトで確認し、1週間動かした実績から見積もると確実です。

Q.AIエージェントとRPAはどう違いますか

RPAは決まった画面操作を再生するだけで判断しません。AIエージェントは生成AIが中に入り、内容を読んで手順を判断します。文章を読んで仕分ける作業はAIエージェント、定型の転記はRPAが向きます。

Q.AIエージェントに任せてはいけない業務はありますか

寸法や強度の合否判定、出荷の最終承認、顧客への無確認の自動返信は避けてください。間違いが品質や信用に直結するためです。これらはAIの下書きを人が確認する形に留めます。

Q.図面や機密情報をAIに渡しても大丈夫ですか

渡す前に扱いを必ず確認してください。契約や設定で学習に使われない形にできる場合があります。TSMC関連など機密要求の厳しい取引では、外部AIへの入力範囲を社内で決めてから使います。

この記事を書いた人

中田 純平

ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市

熊本を拠点に、生成 AI と業務自動化を使った中小企業の業務改善を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、現場で回るところまでを対面で伴走している。 業務自動化の構築 14 社、研修登壇は累計 3,000 名以上。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。

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