業務自動化2026-10-08 公開約 11 分で読めます

n8nの料金を整理|クラウド版とセルフホスト版の費用構造と実行回数課金

n8nの料金をクラウド版とセルフホスト版で比較します。実行回数課金の数え方、Starter・Pro・Businessの月額、セルフホストで別途かかるサーバー代と保守費の見積り方を、公式料金ページの数値で整理します。

中田 純平 — ツナイデ・ムスブ

熊本市 / AI 導入支援・業務自動化

パソコンに向かって作業する手元

結論——n8nの料金はクラウド版が月額課金、セルフホストはサーバー代中心

n8nの料金は、使い方で費用構造が変わります。クラウド版は月間の実行回数で月額が決まる課金です。セルフホスト版はソフト自体が無料で、サーバー代と運用の手間が実質の費用になります。

どちらが安いかは、月にワークフローを何回動かすかと、サーバーを自社で面倒見られるかで決まります。n8nは業務のつなぎ役になるiPaaS(複数のサービスを連携させて処理を自動化する仕組み)の一つです。用語の整理はAI・DXの用語集にまとめています。

この記事で分かること

  • クラウド版の料金プランと実行回数の上限
  • 実行回数課金の数え方と自社の回数の見積り方
  • セルフホストで別途かかるサーバー代・保守費の考え方
  • クラウドとセルフホスト、自社はどちらが向くか

先に結論の早見表

選び方 向く会社 費用の中心
クラウド版 運用の手間を増やしたくない会社 月額(実行回数で決まる)
セルフホスト版 サーバーを扱える人がいる会社 サーバー代+保守の人件費

n8nがそもそも何かは、n8nとは何か|読み方・できること・Zapierとの違いで整理しています。

n8nの料金が「実行回数課金」である意味

n8nの料金は、利用人数ではなく月間のワークフロー実行回数で決まります。何人で使っても料金は変わりません。ここが多くのツールと違う点です。

実行回数の数え方——1ワークフロー1回で1カウント

公式料金ページには、ステップの複雑さに関係なく1ワークフローの1回実行が1回分と書かれています。

  • 10個の処理をつなげたワークフローでも、1回動けば1カウント
  • 2個だけのワークフローでも、1回動けば1カウント

つまりステップ数を増やしても回数は増えません。複雑な処理を1本にまとめた方が、回数の節約になります。

ユーザー数・ワークフロー数は全プラン無制限

公式ページでは、全プランでユーザー数とワークフロー数が無制限と明記されています。全インテグレーション(連携できる外部サービス)も含まれます。

人数が増えても追加料金が発生しない設計です。1ユーザーあたりの単価という考え方は、n8nにはありません。

自社の実行回数をどう見積もるか

見積りは、動かしたいワークフローごとに回数を足していきます。

  1. 自動化したい業務を書き出す
  2. それぞれ1日・1週間で何回動くかを数える
  3. 月あたりに換算して合計する

たとえば日報の集計を1日1回なら月約30回です。受注メールの転記を1日20件なら月約600回になります。合計がプラン選びの基準になります。

n8nクラウド版の料金プラン一覧

クラウド版の料金は、下の表のとおりです。価格は公式料金ページの**年払い時の月額(通貨はユーロ)**です。

プラン 月額(年払い) 月間実行回数 ホスティング ストレージ
Starter 20€ 2,500回 n8nホスティング 2.5GB
Pro 50€ 10,000回 n8nホスティング 25GB
Business 667€ 40,000回 セルフホストのみ 公式サイト参照
Enterprise 価格記載なし(要問い合わせ) カスタム 両対応 50GB

年払いと月払いの差

公式ページには「Monthly / Annually(Save 17%)」の切り替えがあります。上の表はすべて年払い時の月額です。月払いを選ぶと、月あたりの金額は上がります。

Businessはセルフホストのみ

Businessプランはセルフホストのみで、クラウド(n8nホスティング)は待機リスト扱いと記載されています。クラウドで手軽に始めたい段階では、StarterかProが選択肢になります。

Enterpriseは価格非公開

Enterpriseは価格の記載がなく、問い合わせ(Contact Sales)になります。実行回数はカスタムで、ホスティングとセルフホストのどちらにも対応します。最新の条件は公式サイトで確認してください。

n8nに無料プランはあるのか——トライアルとCommunity Edition

常設の無料プランはありません。代わりに無料トライアルと、OSS(ソースが公開された無料ソフト)のCommunity Editionがあります。

無料トライアルの制限

無料トライアルはクレジットカード不要で、Proレベルの機能を試せます。ただし下の制限があります。

項目 トライアルの制限
実行回数 1,000回
同時実行 5
実行タイムアウト 180秒
チームプロジェクト 1

Assistantクレジット800とAIクレジット100が付きます。Admin Roles・Editorロール・Named Versions・Workflow Diffs・公開APIは対象外です。

Community Edition(セルフホストの無料版)

GitHubで入手できる標準のセルフホスト版です。ソフト自体は無料で使えます。ただしサーバーは自前で用意します。費用はサーバー代と運用の手間に移ります。

Businessのトライアルは14日

Businessプランのトライアルは14日間で、全Business機能を試せます。こちらはクレジットカードが必要です。無料版の線引きはLarkの無料プランはどこまで使えるかの考え方も参考になります。

セルフホスト版で別途かかる費用の見積り方

セルフホスト版はソフトが無料でも、サーバー代と保守の人件費が別にかかります。クラウド版の月額と比べるときは、この合計で考えます。

別途かかる費用の項目

公式料金ページにはサーバー代の記載はありません。一般的に、下の項目を見積もります。

費用項目 内容 金額の確認先
サーバー代 VPSやクラウドサーバーの月額 各クラウド事業者の料金ページ
ドメイン・SSL 外部からアクセスする場合 各事業者
バックアップ・監視 障害に備える仕組み 各事業者
保守の人件費 更新・障害対応の作業時間 社内で換算

金額はサーバーの性能や事業者で変わります。具体的な額は各クラウド事業者の料金ページで確認してください。

保守の手間を時間で見積もる

セルフホストで見落としやすいのが人の時間です。

  • バージョンアップの作業
  • サーバーが落ちたときの復旧
  • バックアップの確認

専任の情シスがいない工場では、この時間が総務や製造管理の負担になります。人件費を時給に換算して月額に足すと、クラウド版と公平に比べられます。費用を時間で測る考え方は「月いくら」ではなく「何時間短くなるか」で値段を決めるで詳しく書いています。

セルフホストが割に合う条件

セルフホストは、実行回数が非常に多い場合や、データを社外に出せない場合に向きます。逆に、月の実行回数が少なく運用担当がいない会社では、クラウド版の方が総額で安く収まる場合があります。

クラウド版とセルフホスト版、どちらを選ぶか

選び方は、運用体制と実行回数で決まります。下の表で自社の条件に近い方を選んでください。

判断軸 クラウド版 セルフホスト版
初期の手間 少ない サーバー構築が必要
月額 実行回数で固定 サーバー代+人件費
更新・障害対応 n8n側が担当 自社で担当
データの置き場所 n8n側 自社管理
向く会社 運用担当が少ない会社 サーバーを扱える会社

クラウド版が向く会社

  • サーバーを管理する人がいない
  • まず1つの業務で試したい
  • 実行回数が月1万回程度までに収まる

セルフホスト版が向く会社

  • サーバーを扱える担当がいる
  • 検査記録や図面を社外に出したくない
  • 実行回数が非常に多い

実行回数で見るプラン選び——2,500回・10,000回・40,000回

プラン選びは、月間の実行回数を上限と突き合わせて決めます。Starterは2,500回、Proは10,000回、Businessは40,000回が上限です。

同時実行数・実行時間の制限も見る

実行回数だけでなく、同時実行数と1回あたりの実行時間にも上限があります。

項目 Starter Pro Business Enterprise
同時実行数 5 20または50 50 200以上
最大実行時間 5分 40分 公式サイト参照 40分
共有プロジェクト 1 3 6 無制限

処理が重く時間のかかるワークフローを動かすなら、最大実行時間も確認してください。Starterの5分を超える処理はProが必要になります。

従業員20人未満はStart-up Plan

公式ページには、従業員20人未満を対象にしたStart-up Planの記載があります。条件を満たせばBusinessが50%オフになります。小さな工場は対象になる可能性があります。条件は公式サイトで確認してください。

保持期間とストレージも比較する

実行ログの保持やストレージもプランで差があります。記録を長く残したい場合は、下の違いを見ます。

  • 実行ログ保持:Starter 7日/Pro 30日/Enterprise 無制限
  • ワークフロー履歴:Starter 1日/Pro 5日/Enterprise 365日以上
  • ストレージ:Starter 2.5GB/Pro 25GB/Enterprise 50GB

n8nの料金で見落としやすい制限

下位プランでは使えない機能があります。料金だけで決めると、後から足りなくなる場合があります。

対象外になる管理機能

機能 使えるプラン
SSO・LDAP Business以上
Admin roles(管理者権限) Pro以上
監査ログ(Audit logging) 公式サイト参照
外部シークレットストア連携 Enterprise

SSO(1回のログインで複数サービスを使える仕組み)はBusiness以上です。社員数が多く権限管理を厳しくしたい会社は、Pro以上を見てください。

保持期間の短さに注意

Starterの実行ログ保持は7日です。トラブルの原因を後から追いたい場合、7日では足りない場面があります。記録を残したい業務では、保持期間を基準にProを選ぶ判断もあります。

価格は変わる前提で確認する

料金・機能は年度や改定で変わります。この記事の数値は2026年10月8日時点の公式料金ページのものです。申し込み前に最新を公式サイトで確認してください。

n8nで効果が出た業務の例——議事録とリサーチ

実際にあった例を2件紹介します。いずれも定型で毎回同じ手順の業務です。

会議の議事録作成を10時間から5分の確認に

製造業の営業部門(社員20名)の例です。会議のたびに議事録作成に時間がかかり、修正もしづらい状態でした。録音から文字起こし・要約・保存までを1本のワークフローでつなぐ目的で、n8nを選びました。

会議が終わった時点で議事録ができあがる形になりました。週10回の会議で合計10時間ほどかけていた作成が、5分程度の確認だけで済むようになり、残業が減りました。会議中は議論に集中できるようになっています。

毎日の競合リサーチを自動収集に

大手マーケティング会社(規模非公開)の例です。競合リサーチに毎日1時間ほどかけていました。毎日決まった時間に決まった情報源を見る作業で、人がやる必要がなかったためn8nを選びました。

出社したときには、その日のリサーチ結果がまとまっている状態になりました。この2件はどちらも繰り返しの定型作業です。製造業の受注・在庫・検査記録のつなぎ方は製造業のn8n自動化で整理しています。

出典

料金・機能は確認日時点の公式サイトの情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

n8nの料金を確認する、まず最初の1つ

今日やることを1つに絞ります。自動化したい業務を1つ選び、月に何回動くかを数えてください。その回数が2,500回以内ならStarter、1万回以内ならProが候補になります。

セルフホストを検討するなら、サーバーを扱える人が社内にいるかを確認します。回数と運用体制の2つが決まれば、n8nの料金はどのプランが合うかが見えてきます。他のiPaaSとの比較はiPaaS比較|Zapier・Make・n8n・Yoomを参考にしてください。

よくある質問

Q.n8nに無料プランはありますか

常設の無料プランはありません。代わりに、クレジットカード不要の無料トライアル(実行1,000回・同時実行5など)と、GitHubで入手できる無料のCommunity Edition(セルフホスト版)があります。

Q.n8nの料金は1ユーザーあたりいくらですか

n8nは1ユーザーあたりの課金ではありません。全プランでユーザー数が無制限で、料金は月間のワークフロー実行回数で決まります。何人で使っても料金は変わりません。

Q.n8nのクラウド版とセルフホスト版はどちらが安いですか

実行回数と運用体制で変わります。セルフホストはソフトが無料でもサーバー代と保守の人件費がかかります。運用担当がいない会社は、総額ではクラウド版が安く収まる場合があります。

Q.n8nの実行回数はどう数えますか

ステップの複雑さに関係なく、1ワークフローが1回動くと1回分です。10個の処理をつなげても1回動けば1カウントで、ステップ数を増やしても回数は増えません。

Q.セルフホストのサーバー代はいくらですか

公式料金ページにサーバー代の記載はありません。VPSやクラウドサーバーの料金は性能と事業者で変わるため、各クラウド事業者の料金ページで確認してください。保守の人件費も時間で見積もります。

Q.Starterプランで使えない機能はありますか

SSO・LDAPはBusiness以上、Admin rolesはPro以上です。実行ログ保持もStarterは7日と短めです。権限管理を厳しくしたい会社や記録を長く残したい業務は上位プランを検討してください。

この記事を書いた人

中田 純平

ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市

熊本を拠点に、生成 AI と業務自動化を使った中小企業の業務改善を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、現場で回るところまでを対面で伴走している。 業務自動化の構築 14 社、研修登壇は累計 3,000 名以上。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。

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