Lark 比較2026-07-25 公開6 分で読めます

Larkのセキュリティと管理機能。権限設計・監査ログ・データ保管場所の実情

Larkの権限設計、監査ログ、データの保管場所を、中小企業が導入判断するために正直に整理しました。確認すべき項目とチェックリスト付きです。

TM

中田 純平 — ツナイデ・ムスブ

熊本市 / AI 実装スタジオ

パソコンに向かって作業する手元

先に結論を言います

Larkは、権限設計・監査ログ・端末管理といった中小企業に必要な管理機能を管理コンソール(管理者専用の設定画面)から一通り操作できます。ただし「データがどの国のサーバーに保管されるか」は契約プランやリージョン設定で変わるため、ここだけは公式または営業に必ず確認してから導入を決めてください。機能の有無より、この一点で採否が分かれる会社が実際にあります。

この記事は、熊本の従業員10〜50名の会社が「Larkはセキュリティ的に大丈夫か」を自分で判断できる材料を並べたものです。

Larkのセキュリティで中小企業がまず確認すべきこと

最初に、判断に使う確認項目を表にまとめます。機能の細かい仕様や上限値は変わるため、数値は公式サイトで最新を確認してください。

確認軸 Larkでの扱い 確認方法
権限設計 部署・役職単位で閲覧・編集権限を分けられる 管理コンソールで設定
管理者権限の分割 全体管理者と部分管理者を分けられる 管理コンソール参照
監査ログ 操作履歴を記録・確認できる プランにより範囲が異なる(公式サイト参照)
端末管理(MDM相当) 端末のログイン制限・リモートログアウト 管理コンソール参照
二要素認証 ログイン時の追加認証に対応 管理コンソールで有効化
シングルサインオン 外部ID基盤との連携 プランにより対応(公式サイト参照)
データ保管場所 契約・リージョンにより異なる 営業・公式に要確認
データ暗号化 通信・保管時の暗号化 公式サイト参照
ファイル持ち出し制限 ダウンロード・コピー制限を設定可能 管理コンソール参照
ゲスト・外部共有制限 社外招待の可否を制御 管理コンソールで設定
退職者アカウント処理 アカウント停止・データ移管 管理コンソールで操作
サポート 導入・障害時の問い合わせ窓口 プランにより異なる(公式サイト参照)

この表の中で、中小企業が実際につまずくのは「権限設計」「監査ログ」「データ保管場所」の3つです。順に見ていきます。

権限設計——誰が何を見られるかをどう決めるか

Larkの権限は、管理コンソールから部署や役職の単位でまとめて設定できます。1人ずつ手作業で設定する必要はありません。

中小企業でよくある要望は、だいたい次の形に収まります。

  • 給与・評価の文書は総務と経営者だけが見られる
  • 現場の日報は同じ部署の中だけで共有する
  • 取引先を招いた場では、その案件のフォルダだけ見せる
  • 退職者のアカウントは即日止め、データは会社に残す

これらは管理コンソールと各フォルダ・チャットの共有設定で対応できます。ポイントは、最初に「部署」と「役職」の枠をきちんと作ってから人を割り当てることです。枠を作らずに個別設定を積み重ねると、後で「誰がこの資料を見られるのか分からない」状態になります。これはLarkに限らずどのツールでも同じで、道具の問題ではなく設計の順番の問題です。

管理者権限を1人に集中させず、総務は人事情報、情シス担当はアカウント管理、というように分割できる点は、担当が少ない会社ほど効いてきます。

監査ログ——「誰がいつ何をしたか」は追えるのか

Larkは操作履歴(監査ログ)を記録でき、管理者が後から確認できます。ただし、記録される範囲や保存できる期間はプランによって差があるため、詳細は公式サイトで確認してください。

監査ログが必要になる場面は、平時ではなく事故のときです。

  • 「機密ファイルが外部に出た」ときに、誰がダウンロードしたか
  • 退職者が辞める前に大量の資料を持ち出していないか
  • 取引先との共有設定を、いつ誰が変えたか

こうした調査は、ログが残っていて初めて成立します。TSMC進出以降、熊本でも取引先から情報管理体制の提示を求められる会社が増えています。「ログが取れる仕組みがある」こと自体が、取引の条件になる場面が出てきました。導入時に、自社のプランでどこまでログが取れるかを必ず控えておいてください。

データの保管場所——ここが一番気になるところ

Larkのデータがどの国・地域のサーバーに保管されるかは、契約プランやリージョン設定によって異なります。この記事の執筆時点で参照した公式ページからは具体的な保管場所を事実として確認できなかったため、断定は避けます。導入前に営業窓口へ「当社の契約ではデータはどこに保管されるか」を文書で確認することを強くすすめます。

なぜここを重視するかというと、業種によって扱いが変わるからです。

  • 官公庁や防衛関連の取引がある会社は、データの所在地に条件が付くことがある
  • 大手メーカーの一次・二次下請けは、情報管理の監査項目に保管場所が入ることがある
  • 一般の店舗・サービス業では、暗号化とアクセス制御が担保されていれば実務上の支障は少ない

つまり「Larkは保管場所が問題」なのではなく、「自社が取引先から何を求められているか」を先に把握するのが正しい順番です。求められる条件を書き出してから、Larkがそれを満たせるかを営業に確認する。この順で進めれば判断を誤りません。

Larkのセキュリティ面での注意点・デメリット

正直に書くと、Larkには次の注意点があります。

  • 保管場所の情報が分かりにくい——公式サイトが動的表示で、料金や仕様が外から読み取りにくい場面があります。営業への直接確認が前提になります。
  • 機能が多く、権限設計を放置すると迷子になる——チャット・文書・業務アプリが1つに入っているぶん、権限の対象範囲が広く、最初の設計を怠ると後で収拾がつかなくなります。
  • 高度なセキュリティ機能はプランに依存する——シングルサインオンや詳細な監査ログは上位プランが条件のことがあり、無料プランの感覚で判断すると足りない場合があります。詳しくはLarkの無料プランはどこまで使えるかも参考にしてください。

これらは導入前に確認すれば避けられる問題です。導入後に気づくと手戻りが大きいので、先に潰しておくのが得策です。

どちらを選ぶか——チェックリスト

Larkの管理機能で問題なく進められる会社

  • チャット・文書・タスクを1つにまとめ、権限をまとめて管理したい
  • 二要素認証と部署単位の権限管理があれば十分な業種(店舗・サービス・一般製造)
  • 情シス専任がおらず、管理コンソール1画面で運用したい
  • 取引先からの情報管理要求が、暗号化とアクセス制御の範囲に収まっている

別の選択肢や慎重な検討が必要な会社

  • 官公庁・防衛関連で、データ保管場所に明確な国内要件がある
  • 既存のID基盤(Microsoft等)と厳密に統合済みで、動かせない
  • 監査ログの保存期間や項目に、業界規制で細かい指定がある
  • 取引先の情報セキュリティ監査で、保管場所の文書提出が必須になっている

下段に当てはまる場合は、Larkを外すのではなく、その要件を満たせるかを営業に文書で確認してから決めてください。

出典

料金・機能は確認日時点の公式サイトの情報です。なお当該ページは動的表示のため一部の仕様を本文中で確認できませんでした。最新は各公式サイトおよび営業窓口でご確認ください。

明日からできる一歩

今日中に、取引先や自社の規程で「データの保管場所に条件があるか」を1つだけ確認してください。条件がなければLarkの管理コンソールを触り始めて構いませんし、条件があれば、その文言をそのまま営業への質問にすればいい。判断はそこから始まります。

よくある質問

Q.Larkのデータは日本国内に保管されますか

保管場所は契約プランやリージョン設定によって異なります。断定できないため、導入前に営業窓口へ「自社の契約でデータがどこに保管されるか」を文書で確認してください。

Q.Larkで部署ごとに閲覧権限を分けられますか

分けられます。管理コンソールから部署・役職単位で閲覧や編集の権限をまとめて設定できます。給与文書は総務と経営者だけ、といった制御が可能です。

Q.Larkは監査ログ(操作履歴)を取れますか

操作履歴を記録し、管理者が後から確認できます。ただし記録範囲や保存期間はプランによって異なるため、詳細は公式サイトで確認してください。

Q.退職者のアカウントはすぐ止められますか

管理コンソールからアカウントの停止やデータ移管ができます。退職当日に停止し、業務データは会社側に残す運用が可能です。

Q.無料プランでもセキュリティ機能は使えますか

二要素認証など基本的な機能は使えますが、シングルサインオンや詳細な監査ログは上位プランが条件の場合があります。必要な機能がどのプランかを公式サイトで確認してください。

Q.取引先から情報管理体制の提示を求められた場合、Larkで対応できますか

アクセス制御・二要素認証・監査ログといった項目は提示材料になります。ただし保管場所の文書提出まで求められる場合は、事前に営業へ確認しておく必要があります。

この記事を書いた人

TM

中田 純平

ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市

熊本を拠点に、Lark と生成 AI を使った中小企業の業務効率化を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、導入から現場への定着までを対面で伴走している。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。

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