Larkの勤怠管理は打刻・シフト・休暇申請を専用ツールなしで回せるか
Larkの標準機能だけで打刻・シフト表・休暇申請をどこまで回せるかを、勤怠SaaSとのコスト・機能で正直に比較。熊本の現場企業向けに判断材料を整理しました。
中田 純平 — ツナイデ・ムスブ
熊本市 / AI 実装スタジオ
先に結論を言います
従業員10〜50名で、まだ紙のタイムカードやLINEで勤怠を回しているなら、Larkの標準機能(承認・Base・スケジュール)で打刻・シフト・休暇申請の「入口」を専用ツールなしで作れます。ただし、労働時間の自動集計や36協定アラート、給与ソフトへの自動連携が必要なら、勤怠SaaS(KING OF TIMEやジョブカン等)を別に契約したほうが早いです。Larkが向くのは「まず紙とExcelから脱したい」段階、勤怠SaaSが向くのは「集計と法対応まで自動化したい」段階、と考えてください。
Larkの勤怠管理とは、何を組み合わせるものか
Larkには「勤怠管理」という一枚看板の機能があるわけではなく、複数の標準機能を組み合わせて勤怠の流れを作ります。専用の勤怠ボタンではなく、部品を組む発想です。
- 打刻:Base(表計算とアプリを合わせたようなツール)のフォーム、または承認機能で「出勤・退勤」を記録する
- シフト:Baseの表やLarkのカレンダーでシフト表を共有する
- 休暇申請:承認機能(申請を回して上長が押印する仕組み)で有給・欠勤・遅刻を回す
- 通知:打刻忘れやシフト変更をチャットに自動で流す
つまり、勤怠専用ソフトが最初から持っている「打刻画面」を、自分たちで組み立てる形になります。承認まわりの作り方はLarkの承認機能で稟議・経費・有給をペーパーレスにする手順と比較で詳しく書いています。
Larkの標準機能でどこまで勤怠を回せるか
結論から言うと、「記録・申請・共有」まではできますが、「自動集計・法対応」は自前で作り込む必要があります。
| 勤怠でやりたいこと | Lark標準機能でできるか | 補足 |
|---|---|---|
| 出勤・退勤の打刻 | できる | Baseフォームや承認で時刻を記録 |
| スマホからの打刻 | できる | Larkアプリから入力 |
| GPS(位置情報)付き打刻 | 工夫が必要 | 現場ごとの位置確認は専用SaaSが得意 |
| シフト表の共有 | できる | Baseの表・カレンダーで全員に共有 |
| 有給・休暇の申請と承認 | できる | 承認機能で残数管理も作れる |
| 労働時間の自動集計 | 作り込みが必要 | 関数や自動化で計算式を組む必要あり |
| 残業・36協定アラート | 作り込みが必要 | 自動化で通知は組めるが法対応は自己責任 |
| 給与ソフトへの連携 | 手動出力が基本 | CSV書き出し→給与側に取り込み |
打刻や申請を「集める」ところはLarkで十分に作れます。逆に、集めたデータを労働基準法に沿って自動で締める部分は、勤怠SaaSのほうがはるかに手間がかかりません。ここを見誤ると、Baseの計算式のお守りに毎月時間を取られます。
熊本の現場で、まず起きている問題
熊本の製造・建設・店舗では、勤怠がLINEと紙で分断されているケースが多いです。TSMC(台湾の半導体大手)進出で人の取り合いが起きるなか、勤怠の集計に管理者の残業が消えている会社は少なくありません。
- 現場からLINEで「今日の出勤」を送り、事務が手打ちでExcelに転記している
- シフト表を紙で貼り出し、変更のたびに電話が鳴る
- 有給申請が口頭で、誰が何日取ったか正確に分からない
この状態なら、まずLarkで「LINEの散らばりを1本にまとめる」だけでも効きます。現場のスマホ運用についてはLarkとLINE WORKS比較も参考になります。
勤怠SaaSと比べたコストの考え方
Larkと勤怠SaaSは、料金の「かかり方」が違います。ここを表で整理します。
| 比較軸 | Lark | 勤怠SaaS(KING OF TIME・ジョブカン等) |
|---|---|---|
| 料金の形 | 無料プランあり/有料は人数課金 | 打刻する人数ごとの月額課金が一般的 |
| 無料プラン | あり(公式サイト参照) | 無料は試用中心(公式サイト参照) |
| 打刻機能 | 自分で作る | 最初から完成している |
| GPS・IC打刻 | 弱い/工夫が必要 | 強い(標準対応が多い) |
| 労働時間集計 | 自作 | 自動 |
| 36協定・法対応 | 自己責任 | アラート等を標準搭載 |
| 給与連携 | CSV手動 | 主要給与ソフトと連携 |
| チャット・会議・文書 | すべて含む | 勤怠に特化(他機能なし) |
| 追加コスト | 勤怠以外もこれ1本 | チャット等は別途契約が必要 |
| 向いている段階 | 紙・Excelからの脱却期 | 集計・法対応の自動化期 |
重要なのは、Larkは勤怠だけのツールではない点です。すでにチャット・会議・文書・タスクをLarkに寄せているなら、勤怠の「入口」を追加費用ゼロで足せる可能性があります。逆に勤怠だけが目的なら、無理にLarkで組むより勤怠SaaSのほうが早い場合があります。ツール一本化の考え方はチャット・会議・文書・タスクを別々に契約 vs Lark一本化、コスト比較にまとめています。
なお、Larkの具体的な料金は本記事執筆時点で公式ページの数値を確定できなかったため、金額は書きません。必ず公式サイトで最新をご確認ください。
Larkで勤怠を回すデメリット
Larkの一番のデメリットは、打刻や集計の仕組みを「自分で作る」必要があることです。
- 労働時間の計算式や残数管理を自分で設計する手間がある
- 作った人が辞めると、メンテナンスできる人がいなくなりやすい
- GPSやICカード打刻など、現場の不正防止機能は勤怠SaaSほど強くない
- 法改正への対応は自己責任になる
「勤怠のプロが作った完成品」ではなく「自社で組む土台」だと理解して使うことが大事です。
勤怠SaaSのデメリット
勤怠SaaSのデメリットは、勤怠しかできないため他のツールを別に契約し続ける必要があることです。
- チャット・会議・文書は別サービスの費用が乗り続ける
- 打刻する全従業員に人数課金がかかり、パートが多い店舗ほど負担が増えやすい
- 自社の特殊なシフトや手当に合わないと、結局Excelで補正する運用が残る
勤怠は完璧でも、社内の連絡や書類は別の場所に散らばったまま、という状態になりがちです。
どちらを選ぶか——チェックリスト
Larkが向いている会社
- まだ紙のタイムカードやLINEで勤怠を回している
- すでにLarkでチャットや文書を使っている、または使う予定
- 打刻と申請を「まず1本にまとめる」ことが当面の目標
- Baseの表や自動化を触れる担当が社内にいる
勤怠SaaSが向いている会社
- 労働時間の集計と36協定対応を自動化したい
- 現場ごとのGPS打刻や不正防止をしっかりやりたい
- 給与ソフトへの自動連携が業務上必須
- 勤怠を作り込む人手を社内に割けない
両方を組み合わせる手もあります。打刻と集計は勤怠SaaS、シフト共有と休暇申請の周辺連絡はLark、という分け方です。全部を1本にする必要はありません。
出典
- Lark 公式料金ページ(2026年7月23日確認)
料金・機能は確認日時点の公式サイトの情報です。本記事執筆時点で料金表の具体的数値は取得できなかったため、金額は記載していません。最新は各公式サイトでご確認ください。
明日からできる一歩
今日中に、直近1か月の「勤怠にかかっている事務作業の時間」を紙に書き出してください。転記・シフト調整・有給確認に何時間使っているかが見えれば、Larkで作るか勤怠SaaSを買うか、判断の土台ができます。
よくある質問
Q.Larkの勤怠機能は無料プランでも使えますか
打刻・シフト・休暇申請の土台となる承認機能やBaseは、無料プランでも一部使えます。ただし人数やストレージなどの制限があるため、具体的な範囲は公式サイトで最新をご確認ください。
Q.Larkで労働時間の自動集計はできますか
Baseの計算式や自動化を自分で組めば集計は可能ですが、最初から完成しているわけではありません。集計と法対応の手間を減らしたいなら勤怠SaaSのほうが向いています。
Q.LarkとKING OF TIMEやジョブカンはどちらが安いですか
勤怠だけが目的なら勤怠SaaS、チャットや文書も含めて一本化するならLarkが有利になりやすいです。金額は変動するため、両方とも公式サイトで最新料金を確認して比較してください。
Q.GPS付きの打刻や不正防止はLarkでできますか
Larkでも工夫すれば位置情報の記録は可能ですが、現場ごとのGPS打刻やICカード対応は勤怠SaaSのほうが標準で強いです。不正防止を重視するなら勤怠SaaSを検討してください。
Q.打刻だけを勤怠SaaSにして、連絡はLarkにする使い分けはできますか
できます。打刻と集計は勤怠SaaS、シフト共有や休暇申請の連絡はLark、という分担は現実的な選択肢です。すべてを1本にまとめる必要はありません。
Q.36協定などの法対応はLarkで足りますか
Larkで残業のアラート通知を組むことはできますが、法対応は自己責任になります。36協定のチェックまで自動でやりたい場合は、その機能を標準搭載する勤怠SaaSが安全です。
この記事を書いた人
中田 純平
ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市
熊本を拠点に、Lark と生成 AI を使った中小企業の業務効率化を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、導入から現場への定着までを対面で伴走している。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。
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