Lark BaseでCRMを作る方法。SalesforceやHubSpotの前に検討する選択肢
顧客管理をLark Baseで自作する方法を、SalesforceやHubSpotと正直に比較します。熊本の中小企業がどれを選ぶべきか、規模別の目安とチェックリストで判断できるよう整理しました。
中田 純平 — ツナイデ・ムスブ
熊本市 / AI 実装スタジオ
先に結論を言います
従業員10〜50名で、まず自社の営業の流れを形にしたい会社なら、Lark Baseで顧客管理(CRM)を自作するのが一番安く早く始められます。すでにチャットや会議でLarkを使っているなら、追加契約なしで顧客台帳・商談管理・フォロー通知まで作れるからです。一方で、大人数の営業組織で複雑な予測分析やマーケティング自動化まで一気通貫でやりたいなら、SalesforceやHubSpotの専用CRMのほうが向いています。順番に、判断できる材料を出します。
そもそもCRMとは何を指すのか
CRMは「顧客関係管理(Customer Relationship Management)」の略で、顧客の連絡先・商談状況・過去のやり取りを一元管理する仕組みのことです。熊本の中小企業の現場では、実態としてこう管理されていることが多いです。
- 顧客リストはExcelで、担当者ごとにバラバラのファイル
- 商談の進み具合は個人の頭の中かLINEのトーク履歴
- 見積や訪問予定は紙のカレンダーとホワイトボード
この状態だと、担当者が辞めたら顧客情報が消えます。CRMの一番の目的は「会社に情報を残す」ことです。高機能な分析ツールが本題ではありません。ここを押さえると、選び方がはっきりします。
Lark BaseでCRMを作るとは、具体的にどういうことか
Lark Baseは、Excelのような表計算とデータベースの中間にあるツールで、ノーコード(プログラムを書かずに作れる)で業務アプリを組めます。CRMなら、次のような部品を組み合わせて作ります。
- 顧客テーブル(会社名・担当者・電話・住所・ランク)
- 商談テーブル(案件名・金額・進捗ステータス・受注予定日)
- 対応履歴テーブル(訪問日・内容・次アクション)
- この3つをリンクでつなぎ、1社を開けば商談も履歴も見える状態にする
さらにLark Baseの自動化機能を使えば、「受注予定日の3日前に担当者へチャット通知」「ステータスが失注になったら上長に共有」といった動きも組めます。作り方の基礎はLark Baseの自動化機能でノーコード通知・レコード更新を組む方法にまとめています。
Excel運用からの移行を迷っている段階なら、Lark BaseとExcelの違い。Excel運用が限界を迎える瞬間も先に読むと判断しやすいです。
Lark Base・Salesforce・HubSpotを比較する
顧客管理という目的で3つを並べます。Larkの価格は2026年7月29日時点で公式サイトから確認できた日本語・円表示の値のみを記載します。SalesforceとHubSpotの料金は公式サイトで最新をご確認ください(本記事執筆時点で確定値を確認できていないため、記憶からの金額は書きません)。
| 比較軸 | Lark Base | Salesforce | HubSpot |
|---|---|---|---|
| 料金 | Proプラン ¥1,420/1ユーザー/月 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照(無料CRMあり) |
| 無料プラン | あり(制限は公式サイト参照) | 原則なし(試用のみ) | あり |
| CRMの提供形態 | 自作(ノーコードで組む) | 完成品を設定して使う | 完成品を設定して使う |
| 顧客・商談管理 | テーブルを自由に設計 | 標準機能として充実 | 標準機能として充実 |
| チャット連携 | 標準(Lark内で完結) | 別途連携が必要 | 別途連携が必要 |
| 通知・自動化 | Base自動化で構築可 | 高機能(Flow等) | 高機能(Workflow等) |
| ビデオ会議 | 標準搭載 | 別サービス | 別サービス |
| カレンダー | 標準搭載 | 連携可 | 標準搭載 |
| タスク管理 | 標準搭載 | 標準機能 | 標準機能 |
| 文書作成 | Larkドキュメント標準 | 限定的 | 限定的 |
| マーケティング機能 | 弱い(自作次第) | 強い(別製品群) | 強い(得意分野) |
| 営業予測・分析 | 集計・ダッシュボード程度 | 非常に強い | 強い |
| 導入の手間 | 自分で設計する手間 | 設定・カスタマイズに専門知識 | 比較的とっつきやすい |
| 日本語サポート | あり | あり | あり |
| 向いている企業 | 小〜中規模・自社の流れを形にしたい | 大規模・複雑な営業組織 | マーケティング重視の会社 |
数値は各公式サイトの確認日時点のものです。最新は必ず各社の公式ページでご確認ください。
Lark BaseでCRMを作るデメリット
完成品ではないので、最初に自分で設計する手間がかかります。「顧客ランクをどう分けるか」「商談ステータスを何段階にするか」を自社で決める必要があり、営業の型が固まっていない会社ほど設計に迷います。また、営業予測の自動計算やメール配信の効果測定といった、専用CRMが標準で持つ高度な機能は弱いです。凝ったマーケティング自動化を求めると、Base単体では力不足になります。良くも悪くも「自社の分だけ作る道具」です。
Salesforceのデメリット
多機能ゆえに、中小企業には過剰になりがちです。設定やカスタマイズに専門知識が要り、社内に詳しい人がいないと外部の導入支援に費用がかかります。使いこなせないまま高い月額だけ払う、という状態に陥る会社が実際にあります。営業が20名を超え、複雑な承認フローや細かい権限管理が必要になって初めて真価が出るツールです。10〜30名規模では機能を持て余す可能性が高いです。
HubSpotのデメリット
無料CRMから始められる点は魅力ですが、本当に使いたい自動化やレポート機能は上位の有料プランに含まれることが多く、人数や機能を増やすと費用が段階的に上がります。またマーケティングが得意なツールなので、「見積・訪問・受注管理だけしたい」という現場中心の会社だと、機能の大半を使わないまま契約することになります。自社の目的がマーケティングなのか営業事務なのかを、契約前にはっきりさせる必要があります。
どちらを選ぶか——チェックリスト
Lark Baseが向く会社
- すでにLarkでチャット・会議・カレンダーを使っている
- 顧客管理の目的が「会社に情報を残す」ことである
- 自社の営業の流れに合わせて自由に組みたい
- 追加契約を増やさず今の料金の中で完結させたい
Salesforceが向く会社
- 営業担当が多く、複雑な組織・権限管理が必要
- 精度の高い売上予測や分析を重視する
- 導入・運用に専任者や予算を割ける
- 将来的に事業規模の拡大が確実に見込める
HubSpotが向く会社
- メール配信やWeb経由の見込み客管理を重視する
- マーケティングと営業を1つの流れでつなげたい
- まず無料CRMで試してから判断したい
- 営業事務よりも集客の仕組み化が目的
規模別の目安——5人・20人・50人の会社なら
熊本の中小企業を想定した、一般的な判断の目安です。架空の導入事例ではありません。
5人の会社
Lark Baseの自作CRMで十分です。顧客数も商談数も限られるため、専用CRMの高機能は活かしきれません。すでにLarkを使っていれば追加費用ゼロで始められます。まだ何も使っていない場合、無料プランの範囲から試すのが現実的です。
20人の会社
ここが分かれ目です。営業の流れを形にして情報を会社に残すのが目的なら、Lark Baseで作るのが安く済みます。Proプランなら1ユーザー ¥1,420/月なので、単純計算で ¥1,420×20人=月額 ¥28,400 です(税表記は公式サイトで確認してください)。この中にチャット・会議・カレンダー・タスク・CRMが全部含まれます。一方、本格的なマーケティング自動化まで踏み込むならHubSpotを検討する価値があります。
50人の会社
営業組織が階層化し、複雑な権限・予測が必要ならSalesforceやHubSpotの専用CRMが選択肢に入ります。ただし現場中心(製造・建設・店舗)で「訪問記録と見積管理が回ればいい」という会社なら、50人でもLark Baseで十分機能します。目的が事務の効率化なのか、営業戦略の高度化なのかで分かれます。TSMC進出に伴う取引先増で顧客管理が追いつかなくなっている会社は、まずLark Baseで台帳を一元化し、足りなくなってから専用CRMを足す順番が無理がありません。
熊本の現場でよくあるのは、顧客とのやり取りがLINEに散っている状態です。まずBaseに顧客と対応履歴を集めるだけでも、担当者依存の解消につながります。導入費用の考え方は従業員10〜30名の会社がLarkを導入した費用対効果を試算するも参考になります。
出典
- Lark 公式料金ページ(2026年7月29日確認)
料金・機能は確認日時点の公式サイトの情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。SalesforceおよびHubSpotの料金は本記事執筆時点で確定値を確認できていないため、各社公式サイトで最新をご確認ください。
明日からできる一歩
今使っている顧客リストのExcelを1つ開き、列の見出し(会社名・担当者・電話・進捗など)を紙に書き出してください。それがそのままLark Baseのテーブル設計図になります。作り始める前に、この10分の棚卸しが一番効きます。
よくある質問
Q.Lark Baseの無料プランだけでCRMは作れますか
顧客テーブルや商談管理といった基本的なCRMは無料プランの範囲でも作成できます。ただし人数・ストレージ・自動化の実行回数などの制限は公式サイトに数値の記載がないため、実際に始める前にLark公式の料金ページで最新の制限をご確認ください。
Q.SalesforceやHubSpotとLark Base、料金はどちらが安いですか
Lark BaseはProプランで1ユーザー ¥1,420/月に含まれ、CRM専用の追加契約が不要な点でコストを抑えやすいです。SalesforceとHubSpotの料金は本記事では確定値を確認できていないため、各社公式サイトで最新の金額をご確認ください。
Q.ExcelからLark BaseのCRMへ移行するのは難しいですか
Excelの列をそのままテーブルの項目に対応させる形で移行でき、CSVの取り込みも可能です。ただし担当者ごとにバラバラのファイルを1つに統合する整理作業が必要なので、移行前に項目の棚卸しをしておくとつまずきにくいです。
Q.製造業や建設業の現場でもLark BaseのCRMは使えますか
訪問記録・見積管理・顧客台帳といった現場の顧客管理には十分使えます。高度な営業予測やマーケティング自動化を求めない、情報を会社に残すことが目的の業種ほど向いています。
Q.営業予測や売上分析を重視する場合はどれがよいですか
精度の高い売上予測や細かい分析を重視するならSalesforceが強く、マーケティングと連動した分析ならHubSpotが得意です。Lark Baseでも集計やダッシュボードは作れますが、専用CRMほどの分析機能はありません。
Q.すでにSalesforceを使っていますが、Larkに移すべきですか
すでに使いこなして成果が出ているなら無理に移す必要はありません。機能を持て余していて月額だけが負担になっている場合は、Lark Baseで必要な機能だけ作り直すとコストを下げられる可能性があります。
この記事を書いた人
中田 純平
ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市
熊本を拠点に、Lark と生成 AI を使った中小企業の業務効率化を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、導入から現場への定着までを対面で伴走している。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。
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