Larkの弱点と、導入をおすすめしないケースを正直に書きます
Larkの弱点を隠さず整理し、他ツールが向くケースも正直に書きました。熊本の中小企業が導入前に確認すべき判断材料を、比較表とチェックリストでまとめています。
中田 純平 — ツナイデ・ムスブ
熊本市 / AI 実装スタジオ
先に結論を言います
Larkは「チャット・会議・文書・タスク・業務アプリを1つにまとめたい」会社には合いますが、万能ではありません。すでにMicrosoft製品で固めている会社、取引先や現場が完全にLINEで回っている会社、特定業務の専用システムを深く使い込んでいる会社では、Larkに寄せると逆に手間が増えることがあります。この記事では、Larkの弱点と「おすすめしないケース」を正直に並べます。売り込むためではなく、あなたが判断できる材料を出すためです。
私たちはLarkを勧める仕事もしますが、合わない会社に無理に入れても続きません。続かない導入がいちばん高くつきます。だから弱点から先に書きます。
Larkの弱点はどこにあるか
Larkの弱点は、大きく5つに整理できます。機能そのものより「周りの環境との相性」で困ることが多いのが特徴です。
- 国内での知名度がまだ低い:取引先が「Larkって何?」となる場面がある。導入時の社内説明にも手間がかかる
- 多機能ゆえに最初がとっつきにくい:チャット・Base(業務アプリ)・ドキュメント・承認と機能が広く、全部使おうとすると迷子になる
- 料金・上限の情報が確認しづらい:公式の料金ページが動的に表示される作りで、無料プランのストレージや会議時間などの上限が一覧で読み取りにくい
- Microsoft製品との連携は本家に劣る:ExcelやWord、Teamsを軸に業務が回っている会社では、変換や二重管理が発生しやすい
- 専用システムの深い機能には及ばない:会計・給与・大規模在庫など、専門ソフトが持つ細かい機能はLark Baseでは作り込めない領域がある
どれも「使えない」ではなく「向き不向き」です。次で他ツールと並べます。
Larkと他ツールを弱点視点で比較する
下の表は、Larkとよく比べられる4つのツールを、導入後に困りやすい点を中心に並べたものです。料金はLarkのみ公式資料で確認できた実額を記載し、他は各社の体系が異なるため方向性で示します。
| 比較軸 | Lark | LINE WORKS | Slack | kintone | Microsoft Teams |
|---|---|---|---|---|---|
| 有料の単価 | プロ ¥1,420/人・月 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 | 公式サイト参照 |
| 無料プラン | あり(上限は公式サイト参照) | あり | あり | なし(試用のみ) | 縮小・要確認 |
| 国内の知名度 | 低め | 高い | 中 | 高い | 高い |
| チャット・既読 | 既読が分かる | LINE感覚で既読管理 | 既読機能は弱い | チャットは補助的 | 既読は弱い |
| ビデオ会議 | 標準で内蔵 | あり | 別途連携が多い | なし | 強い |
| 文書・同時編集 | 標準で内蔵 | 限定的 | 別ツール連携 | フォーム型 | Office連携が強い |
| タスク管理 | 標準で内蔵 | 限定的 | 連携で対応 | 得意 | Plannerで対応 |
| 業務アプリ作成 | Baseで作れる | 弱い | 弱い | 最も得意 | Power Appsで可 |
| AI機能 | あり(有料増値あり) | 一部 | 有料 | 限定的 | Copilotが強い |
| 外部連携 | AnyCross等 | LINE連携が強い | 連携数が豊富 | 連携豊富 | Microsoft内は最強 |
| 現場スマホ運用 | しやすい | しやすい | ふつう | ふつう | ややアプリが重い |
| Microsoft資産との相性 | 弱い | 弱い | 中 | 中 | 最も良い |
| 専用システムの代替 | 中規模まで | 不向き | 不向き | 中〜大まで | 中まで |
| 向いている会社 | 一本化したい会社 | LINE文化の現場 | IT系・連携重視 | 業務アプリ主体 | Microsoft中心 |
単価はLark公式資料で確認できたプロプランの ¥1,420/人・月 のみ実額です。他社の料金は体系が異なるため、必ず各公式サイトで最新を確認してください。
Larkをおすすめしないケース
はっきり言うと、次の3タイプの会社にはLark一本化を積極的には勧めません。
1. Microsoft 365ですでに固まっている会社
ExcelやWord、Teamsで日常業務が回り、社員も慣れているなら、無理にLarkへ寄せる利点は小さいです。ファイルの変換や二重管理でかえって手間が増えます。詳しくはLarkとMicrosoft Teams、中小企業のコスト差はどこで生まれるかを読んでから判断してください。
2. 取引先も自社もLINEで完結している会社
熊本の建設・店舗の現場では、協力会社や顧客との連絡がLINEで完結しているケースが多いです。相手をLarkに引っ張れないなら、既読管理や写真共有のためにまずLINE WORKSを検討する手もあります。ただし社内をLarkに寄せる判断は別です。熊本の現場でLINEをやめてLarkに移す。何が起きるか正直に書くで移行の実際を整理しています。
3. 会計・給与・大規模在庫など専門システムが必須の会社
Lark Baseは業務アプリを作れますが、法令対応が絡む会計や給与計算、数万点規模の在庫管理は専用ソフトのほうが安全で速いです。Baseは「専用ソフトを買う前の試作」や「補助的な管理」に向きます。
kintoneのデメリット
kintoneは業務アプリ作成が最も得意ですが、チャット・会議・文書が弱く、ここを別ツールで補う必要があります。結果として複数契約になり、コストと管理が分散しがちです。逆に言えば、業務アプリだけを深く作りたいならLarkより向きます。Lark Base と kintone、業務アプリを作るならどちらが安いかで費用面を比べています。
LINE WORKSのデメリット
LINE WORKSはLINE感覚で使えて現場に浸透しやすい一方、業務アプリ作成やタスク管理、文書の同時編集は弱めです。連絡は回っても、日報や在庫の仕組み化まではカバーしきれず、別ツールが必要になることがあります。
Slackのデメリット
Slackは連携できる外部サービスが豊富ですが、会議・文書・業務アプリを別途そろえる前提のため、機能ごとに契約が増えます。既読管理も弱く、返事の確認を運用で補う必要があります。
Microsoft Teamsのデメリット
TeamsはMicrosoft製品との相性が抜群ですが、アプリが重く、現場のスマホ運用ではやや使いにくい場面があります。Office資産がない会社が新規に選ぶ動機は弱くなります。
どちらを選ぶか——チェックリスト
自社に当てはまるものが多いほうを選ぶ目安です。
Larkが向く会社
- チャット・会議・文書・タスクを1つにまとめたい
- 現場のスマホ運用を重視している
- 特定メーカー製品に縛られていない
- 日報や在庫など簡単な業務アプリも社内で作りたい
他ツールが向く会社
- Microsoft 365で業務が完全に固まっている(→Teams)
- 取引先も含めLINEで連絡が完結している(→LINE WORKS)
- 業務アプリだけを深く作りたい(→kintone)
- 外部サービス連携の数を最優先する(→Slack)
規模別の目安——5人・20人・50人の会社なら
規模ごとの一般的な判断の目安です。Larkのプロプラン ¥1,420/人・月 で概算を示します。
5人の会社:まず無料プランで試すのが現実的です。上限は公式サイトで確認してください。人数が少ないうちは、LINE WORKSやSlackの無料枠と使い勝手を並べて選んでも遅くありません。
20人の会社:一本化の効果が出やすい規模です。Larkプロなら ¥1,420×20人=月額¥28,400 が概算です。複数ツールを別々に契約している会社は、合算額と比べてください。Microsoft資産が薄いならLarkが有力です。
50人の会社:部署が分かれ、権限や監査の要件が出てきます。Larkプロなら ¥1,420×50人=月額¥71,000 が概算です。この規模では専用システムとの併用が前提になるため、Larkは「全社の連絡と共通業務の土台」と位置づけるのが現実的です。
他社は1ユーザーあたりの実額が確認できていないため、概算計算は載せていません。必ず各公式サイトで見積もってください。
出典
- Lark 公式料金ページ(2026年8月12日確認)
料金・機能は確認日時点の公式サイトの情報です。無料プランのストレージや会議時間などの上限は公式資料から確認できなかったため、最新は各公式サイトでご確認ください。
明日からできる一歩
今日は、自社で使っているツールを紙に全部書き出してください。チャット・会議・ファイル共有・日報・勤怠、それぞれ何を使い月いくら払っているかを1枚にまとめる。その1枚があれば、Larkに寄せるべきか他ツールが向くかの判断が、驚くほど早くなります。
よくある質問
Q.Larkの無料プランはどこまで使えますか
無料プランは用意されています。ただし人数やストレージ、会議時間などの上限は公式の料金ページから数値を確認できませんでした。導入前に公式サイトで最新の上限を必ず確認してください。
Q.Larkの有料プランはいくらですか
公式資料で確認できたのはプロプランの¥1,420/1ユーザー・月です。エンタープライズプランの月額は日本語での記載がなく、営業への問い合わせが必要です。最新は公式サイトで確認してください。
Q.Microsoft 365を使っている会社もLarkに乗り換えるべきですか
必ずしも乗り換える必要はありません。ExcelやTeamsで業務が固まっている会社は、Larkに寄せると変換や二重管理で手間が増えることがあります。Microsoft資産が薄い会社のほうがLarkの利点を得やすいです。
Q.現場がLINEで回っている場合でもLarkは使えますか
社内はLarkに寄せられますが、取引先や顧客をLarkへ引っ張れない場合は連絡がLINEに残ります。その場合はLINE WORKSも比較対象に入れて、社内一本化とは分けて判断するのが現実的です。
Q.Lark Baseで会計や給与も管理できますか
細かい法令対応が絡む会計・給与・大規模在庫は、専用ソフトのほうが安全で速いです。Lark Baseは日報や簡単な在庫など、専用システムを買う前の試作や補助的な管理に向いています。
Q.業務アプリだけを深く作りたい場合はLarkとkintoneどちらですか
業務アプリの作り込みだけを優先するならkintoneが向きます。ただしkintoneはチャット・会議・文書が弱く別ツールが必要です。連絡や会議も1つにまとめたいならLarkが候補になります。
この記事を書いた人
中田 純平
ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市
熊本を拠点に、Lark と生成 AI を使った中小企業の業務効率化を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、導入から現場への定着までを対面で伴走している。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。
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