Lark 比較2026-07-29 公開8 分で読めます

SlackからLarkへ移行する手順。データ移行と社内周知のつまずき

SlackからLarkへ乗り換える具体的な流れを、データ移行・社内周知・つまずきやすい点まで整理しました。料金比較表と規模別の目安つきで、熊本の中小企業向けに解説します。

TM

中田 純平 — ツナイデ・ムスブ

熊本市 / AI 実装スタジオ

電卓と書類でコストを計算している様子

先に結論を言います

SlackからLarkへの移行は、いきなり全社を切り替えず「2週間の並行運用」を挟むのが失敗しにくい方法です。データは過去ログをエクスポートして保管しつつ、進行中の会話だけを新しい場所へ移すのが現実的です。Slackの無料プランは履歴が90日で消え、1年後にはデータ自体が削除されるため、乗り換えの前にエクスポートだけは先に済ませてください。以下、手順とつまずく箇所を順に整理します。

なぜSlackからLarkへ移す会社が出てくるのか

理由の多くは「チャット以外もまとめたい」というものです。Slackはチャットの完成度が高い一方、会議・文書・表計算・タスクは外部サービスと組み合わせる設計です。連携が増えると契約も管理も分かれていきます。

熊本でも、現場はLINE、社内はSlack、書類はExcel、会議はZoomと道具が分散している会社が多いです。TSMC関連で取引先が増え、やり取りの量が急に膨らんだ会社ほど「窓口を1つにしたい」という声が出ます。Larkはチャット・会議・文書・表・カレンダーを1つのアプリに入れているため、この「まとめたい」に応えやすい構成です。

ただし、Slackが悪いわけではありません。チャット単体の使い勝手や外部アプリの豊富さはSlackが強く、乗り換えが常に正解とは限りません。判断材料として下の表を見てください。

SlackとLarkを比較する表

料金は資料の取得日時点の公式表記です。Slackは米ドル建て、Larkは円建てで、通貨が違うため単純比較はできません。為替で変わるので、円換算はここでは行いません。

比較軸 Slack Lark
料金(有料の入口) プロ 月払い1人 US$8.75/年払い US$7.25 プロ ¥1,420/1ユーザー/月
上位プラン ビジネスプラス 月払い US$18/年払い US$15 公式サイト参照
無料プラン あり(US$0) あり
無料の履歴制限 90日、1年後にデータ削除 公式サイト参照
利用可能人数 アクティブメンバー課金 公式サイト参照
ストレージ 記載なし(公式サイト参照) 公式サイト参照
チャット・既読管理 チャット中心、既読は簡易 チャット標準、既読確認あり
外部連携 Appディレクトリ2,600種超 公式サイト参照
ビデオ会議 無料は1対1、有料でグループ 標準搭載
カレンダー 外部連携が基本 標準搭載
タスク管理 外部連携が基本 標準搭載
文書作成 外部連携が基本 ドキュメント標準
業務アプリ 外部連携 Base標準
AI機能 ビジネスプラス以上で高度なAI AIノート等(アドオンあり)
セキュリティ SSOはビジネスプラス以上 公式サイト参照

Lark側は公式ページがうまく読み取れず、無料プランの詳細・ストレージ・会議人数・セキュリティの数値を今回確認できませんでした。「公式サイト参照」の項目は各自で最新を見てください。

コストの詳しい比較はLark と Slack、コストで比べると何が違うのかにまとめています。

SlackからLarkへの移行手順

手順は大きく6段階です。順番を守ると混乱が減ります。

  1. エクスポート:SlackでワークスペースのデータをエクスポートしてPCに保存する。無料プランでも過去ログのバックアップは先に取る。
  2. チャンネル棚卸し:使っているチャンネルを一覧にし、残す・統合する・捨てるを仕分ける。移行はチャンネルを減らす好機です。
  3. Larkの箱を作る:Larkでアカウントを作り、部署とグループ(Slackのチャンネルに相当)を先に用意する。作り方はLarkを初めて導入する手順を参照。
  4. 少人数で試す:まず情シスと部署長数名で2週間使い、通知や既読の感覚をつかむ。
  5. 並行運用:全社に案内し、2週間ほどSlackとLarkを両方動かす。新しい会話はLark、過去の参照はSlackと役割を分ける。
  6. 切り替え:並行期間の終了日を決め、その日以降はLarkに一本化する。Slackは閲覧のみで一定期間残す。

Slackの会話ログを自動でLarkに丸ごと流し込む公式ツールは、確認できていません。過去ログは「Slackに残して参照」または「エクスポートファイルで保管」と割り切るのが現実的です。全部を移そうとすると挫折します。

Slackのデメリット

Slackのデメリットは、チャット以外の機能を外部サービスに頼る設計のため、道具と契約が増えやすい点です。会議・文書・タスクをそれぞれ別に契約すると、月額の合計が見えにくくなります。また無料プランは履歴が90日で、1年後にはデータが削除されます。過去のやり取りを資産として残したい会社には、この制限が重くのしかかります。

Larkのデメリット

Larkのデメリットは、機能が多いぶん最初に「どこに何があるか」を覚える負担が大きい点です。チャットしか使わない会社には、機能過多に感じられます。加えて、今回公式ページから無料プランの制限やストレージ、セキュリティの数値を確認できませんでした。導入前に自社の管理者権限や保管場所の条件を、公式で必ず確かめる必要があります。AIノートなど一部機能はアドオン(追加課金)で、例えばビデオ会議のAIノートは¥270,000と別立てです。

つまずきやすいポイント

移行で失敗する原因は、機能ではなく人の慣れです。よくある3つを挙げます。

  • 通知の洪水:最初は全グループの通知がオンで鳴りやまない。部署ごとに通知の強弱を最初に決める。
  • 二重運用の長期化:並行期間を「なんとなく」続けると、どちらも中途半端になる。終了日を先に紙で貼る。
  • 現場が置き去り:製造・建設の現場はスマホ操作が中心。パソコン前提で説明すると使われない。スマホ画面で1枚のマニュアルを作る。

社内周知の進め方

周知は「短く・繰り返す」が基本です。長い説明書は読まれません。次の順で伝えると定着しやすいです。

時期 やること
開始2週間前 移行の理由と日程を1枚で共有
開始1週間前 スマホでのログイン方法を実演
開始日 部署ごとに最初の投稿を管理者がする
開始後1週間 質問を集める窓口を1つ作る
切り替え日 Slackを閲覧のみに切り替える

最初の投稿を経営者や部署長が自分でやると、現場が「使っていいんだ」と安心します。ここを外注や情シス任せにすると浸透が遅れます。

どちらを選ぶか——チェックリスト

Slackを続けたほうがよい会社:

  • チャットの使い勝手を最優先する
  • 外部アプリとの連携を数多く使っている
  • 会議や文書は既に別の道具で満足している
  • 英語圏の取引先とのやり取りが多い

Larkへ移す価値がある会社:

  • チャット・会議・文書・表を1つにまとめたい
  • 道具が分散して契約管理が煩雑になっている
  • 過去ログを資産として長く残したい
  • 現場のスマホ運用を1アプリで統一したい

規模別の目安——5人・20人・50人の会社なら

規模で判断が変わります。以下は一般的な目安で、架空の導入事例ではありません。

  • 5人:まず両方の無料プランを試す規模です。Slack無料は履歴90日という制約があるため、記録を残したいならLarkの無料プランを軸に検討する価値があります。有料化を急がず、実際の通知量で判断してください。
  • 20人:道具の分散が費用に効き始める規模です。Slackプロを年払い US$7.25で20人使うと US$7.25×20=月額 US$145。ここに会議・文書・タスクの別契約が加わります。Larkはプロ ¥1,420×20人=月額¥28,400で、会議・文書・表が同じ枠に入る前提です。まとめたいならLarkが有利になりやすい規模です。
  • 50人:管理とセキュリティの要件が重くなる規模です。SlackはSSO(1つのIDで複数サービスにログインする仕組み)がビジネスプラス以上のため、上位プランが必要になります。Larkのセキュリティ要件は今回確認できなかったため、両社とも公式で権限設計と保管場所を確かめてから決めてください。

出典

料金・機能は確認日時点の公式サイトの情報です。最新は各公式サイトでご確認ください。

明日からできる一歩

今日中に、Slackのワークスペースのデータエクスポートだけ実行してPCに保存してください。移行するかどうかを迷っている段階でも、無料プランは1年でデータが消えるため、記録を守る意味でこれだけは先にやっておく価値があります。

よくある質問

Q.Slackの過去ログはLarkに全部移せますか

Slackの会話ログをLarkへ丸ごと自動移行する公式ツールは、今回確認できていません。過去ログはSlackに残して参照するか、エクスポートしたファイルで保管する方法が現実的です。全部を移そうとせず、進行中の会話だけを新しい場所へ移すのがおすすめです。

Q.Slackの無料プランのデータはいつ消えますか

Slackの無料プランはメッセージ履歴が90日に制限され、1年後にはデータ自体が削除されます。移行を検討している場合でも、まずデータのエクスポートだけは先に済ませてください。記録を資産として残したいなら有料化か他ツールへの移行を検討します。

Q.SlackとLarkの料金はどちらが安いですか

通貨が違うため単純比較はできません。資料時点でSlackプロは年払い1人US$7.25、Larkプロは¥1,420/1ユーザー/月です。会議や文書を別契約する必要があるかどうかで合計が変わるため、道具をまとめたい会社はLarkが有利になりやすいです。

Q.移行にかかる期間の目安は

エクスポートと棚卸しに数日、少人数の試用と全社の並行運用に各2週間ほどを見込むと無理がありません。並行運用の終了日を先に決めておかないと、二重運用が長引いて定着が遅れます。

Q.現場がスマホ中心でも移行できますか

できますが、パソコン前提の説明では使われません。製造や建設の現場向けには、スマホ画面で1枚のログイン・投稿マニュアルを作ってください。最初の投稿を管理者が自分ですると現場が安心して使い始めます。

Q.Larkに移す前に必ず確認すべきことは

無料プランの制限・ストレージ容量・セキュリティ要件・データ保管場所です。今回これらは公式ページから数値を確認できなかったため、導入前に公式サイトで最新の条件を必ず確かめてください。

この記事を書いた人

TM

中田 純平

ツナイデ・ムスブ 代表 / 熊本市

熊本を拠点に、Lark と生成 AI を使った中小企業の業務効率化を支援。 ツールの紹介だけで終わらせず、導入から現場への定着までを対面で伴走している。 この記事の料金・機能は、公開時点の各公式サイトの情報をもとにしています。

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